指輪の修理の相談がきっかけで初めてご来店くださったお客さま。その際に、
「もしお使いになっていない思い出のジュエリーなどお持ちでしたら
リフォームも承っておりますので、ぜひご相談ください」
とご案内したところ、
後日リフォームの相談に再来店してくださいました。
お客さまは二つの指輪をご持参されました。
一つは立爪の婚約指輪で、もう一つはルビーの指輪でした。
どちらもご主人さまから贈られた大切な指輪ですが、
デザインが古くなってしまい今では身に着ける機会もほとんどなく、
しまったままになっているそうです。
「ずっと使っていなかったんだけれど、
この前古い指輪もリフォームできると教えてもらえたので、
使わずにしまっておくのはもったいないなと思ってリフォームの相談にきました。
二つあるので、一つは自分に、もう一つは娘に譲ろうと思っています」
とお話しくださいました。
お客さまのお持ちの指輪を拝見しながら、
どんなときに身に着けたいかなどいろいろお話しし、
ダイヤの婚約指輪はお客さまが身に着ける用のペンダントに、
ルビーの指輪は、お嬢さまにお譲りになるペンダントにリフォームすることになりました。
立爪の婚約指輪は、シンプルで普段づかいできるようにとのご希望だったので、
「覆輪（ふくりん）留め」のシンプルなペンダントにリフォームしました。
覆輪留めは、筒状の台の中に石を入れて縁を倒して石をセットする宝石の留め方です。
爪の引っかかりが少なく、石も外れにくいというメリットがあります。
アンティークジュエリーなどに用いられることの多い技法の一つで、
コロンと丸みを帯びた形が優しい上品な雰囲気を出してくれます。
しかし、筒状の台の中に石を入れて縁を倒す作業はとても難しく、
高度な技術が必要となります。
今回は、高い専門性を持っているデザイナーの方にアドバイスをいただき、
覆輪留めにミル打ちを施したデザインのペンダントにリフォームすることができました。
チェーンを通すバチカンにもミル打ちを施し、
ペンダントトップと合わせたデザインにすることで、
より一体感がでてシンプルながらも高貴な雰囲気に仕上がりました。
「とても可愛いデザインですね。
これなら服に引っかかる心配もなく毎日着けられます。
これから長く使えるのでリフォームして本当に良かったです」
と喜んでいただけました。
婚約指輪は上品で普段使いできるペンダントに
ご主人から贈られたルビーの指輪は、
デザインも古くなってしまい、
そのままでは娘も使わないと思うとお話しでしたので、
デザインを変えて普段使いしやすいペンダントにリフォームすることにしました。
お客さまのペンダントと同様に覆輪留めで
ネックレスを両吊りするタイプのデザインにリフォームしました。
ピンクのルビーとゴールドの相性も良く、
女性らしい清楚なデザインに仕上がりました。
両吊りタイプのデザインはトップがくるくる回ることも少なく、
可愛らしい雰囲気に仕上がるので、
若いお嬢さま世代には特にお勧めのデザインです。
「コロンとした丸みが可愛くてすてきです。
これなら娘も喜んで使ってくれそうです。
渡すのが楽しみです」と仰ってくださいました。
ルビーの指輪は可愛くリフォームしてお嬢さまへの贈り物に
同じデザインの技法を使っても、
宝石や素材によってジュエリーの印象も異なってきます。
今回はお母さまとお嬢さまの二つのネックレスをリフォームしましたが、
それぞれの年代や使うシーンに合わせてデザインを提案させていただきました。
大切なジュエリーをお気に入りのデザインにリフォームすることで、
より一層愛着の持てる思い出の品にすることができます。
