当店と同じショッピングモールにお店を出している従業員さんからリフォームのご相談を承りました。
お母さまがお亡くなりになり、遺品整理をしていたところ、
タンスの中から大切にしまってあった宝石が見つかったそうです。
その中から、お母さまの形見の品として二つの指輪を譲り受けたということでした。
「せっかくの母の形見の品なので、しまったままにしておくのはもったいないと思いまして。
母の形見を大切に使いたいと思い、ニイミさんにリフォームの相談にきました。
お店の方にデザインが古いので、形を変えて好みのデザインにお願いできますか」と仰ってくださいました。
ネックレスは普段あまりしないことと、お母さまの形見の品なので毎日身に着けたいということで、
それぞれ指輪にリフォームすることになりました。
普段づかいしたいというお客さまのご要望もあったので、引っかかりのないデザインを考えました。
また、お客さまにデザインの好みをお伺いするとシンプルで上品なデザインが好みということだったので、
あまり形を大きく変えずに素材の良さを活かしたデザインをいくつかご提案しました。
オパールの指輪は、宝石も大きく状態も良かったので、オパールの素材をできるだけ活かし、
枠はシンプルにプラチナからゴールドに素材を替えました。
また、オパールの周りをゴールドで囲むことで、爪をつけることなくフラットな状態となり、
さらにオパールの存在感をより際立つようにご提案しました。
もう一つの赤い宝石の指輪は、華奢で可愛いらしい印象だったので、元の宝石に少しメレダイヤを加えて、
センターストーンを華やかに引き立てるように工夫しました。

お母さまの形見のオパールの指輪

枠をゴールドに替えて爪をなくしました

ひっかかりがないので洋服など気にすることもありません

お母さまの形見の赤い色の指輪

センターストーンの脇にメレダイヤを増やして華やかな印象に

こちらも引っかかりのないようにデザインしました
リフォーム品の受け取りにいらしたお客さま。
「ありがとうございます。同じ宝石でもデザインを変えるだけでこんなに印象が変わるんですね。
シンプルで上品に仕上げていただいてとても気に入りました。
これならこの先もずっと長く身に着けられます」と喜んでくださいました。
ヨーロッパには、「Bijou de famille(ビジュー ド ファミーユ)」という言葉があります。
この言葉は「家族の宝石」を意味し、大切なジュエリーを母から娘へ、
そして孫たちへと幸せな物語と共に受け継いでいく習慣を表しています。
お母さまの形見の品である指輪をうれしそうにご試着されていたお客さま。
きっとお母さまの大切な思いもその宝石を通じて受け継がれているのかなと思いました。
タグ:
リングリフォーム
立爪リング
ジュエリーリフォーム
お母様の形見
ビジュー・ド・ファミーユ