新規でご来店いただいたお客さま。
店内をご覧になっている際にお声がけさせていただいたところ、
「私この宝石大好きなの。以前オーストラリアへ旅行に行った時に購入したんです」
と教えてくださいました。
お客さまが購入したのはオパールのネックレスで、
9年ほど前にオーストラリアに旅行をされた際に購入したジュエリーだということでした。
オパールのネックレスに合わせてリングも購入されたそうです。
「ジュエリーは好きなほうで、エメラルドやサァイアなども持ってはいるんだけれど、
やっぱりオパールの神秘的な色合いに一番ひかれます」とお話しくださいました。
「そういえば、その時に購入したオパールのネックレスが壊れてしまっていて。
台座とオパールが取れてしまって、ずっとそのまま両方持っていたんだけれど、
しばらくして台座を無くしてしまったんです。
もう一度身に着けたいので修理をお願いできますか」とのご相談を承りました。
後日、お客さまのお気に入りのオパールを持って再来店くださいました。
オパールはきれいなカボションカットのブラックオパールでした。
折角リフォームするなら、
既製品とは少し違った個性的なデザインにしてほしいとお客さまのご要望もあったので、
リフォームのデザイナーさんともいろいろと相談して、
アンティーク調のつや消しを施したデザインをいくつか考えました。
その中でも花とツタを巻いたような曲線が特徴的なデザインに決定しました。
つや消しは、地金が放つ光沢をなくし、
落ち着きのある素材感に変える加工方法のことです。
つるつるで光沢のある表面に比べて、落ち着いた光沢感を表現できます。
上品な雰囲気がお好みの方、大人の落ち着いた雰囲気が好きな方にはお勧めの加工方法です。
また、宝石と地金のコントラストがはっきりするので、
肌の上に乗ったときにより宝石がきれいに美しく映える効果もあります。
今回は、花のモチーフ部分につや消しを施し、
ツタのような曲線の部分はつや消しのないコンビのデザインにして、
よりコントラストがはっきりわかるデザインになりました。
また、ネックレスの台座には、オパールをぐるっと縁取る枠を使用して、
外れないようにしました。
お客さまのカボションカットのオパールとの相性も良く、
上品で落ち着いた大人のジュエリーに仕上がりました。
お客さまがお持ちのカボションカットのブラックオパール
裏側もきれいな状態でした
上品で洗練されたペンダントになりました
完成したジュエリーをご覧になったお客さま。
「オパールのもっている宝石の良さをすごく活かしてくれていてとてもうれしいです。
この宝石のためのオンリーワンのデザインになりました。
実は娘もオパールが好きでオパールのネックレスを持っているんです。
いつかこのネックレスも娘に譲ってあげようと思います」
と笑顔でお話しくださいました。
たくさんの趣味をお持ちで、自らバッグなども手作りするほど器用なお客さま。
これからもいろんな場面でお客さまと一緒に
生まれ変わったジュエリーが活躍してくれることを心から願っています。