眼鏡をご愛用で当店によくご来店いただいている60代のお客さま。
お葬式で使用した際に念珠の糸が切れてしまったというのでご相談におみえになりました。
「母の形見の品で、そのまま使っていたのですが、糸が切れてしまったんです。
修理お願いできますか」とご相談をいただきました。
お客さまのお持ちの念珠を確認すると真珠の本連で出来たものでした。
葬儀や法事に参列するときに使用することの多い念珠は、
「本式念珠」と「略式念珠」の二つの種類に分けられます。
「本式念珠」とは、宗派ごとの意味をもつ念珠のことで、それぞれの宗派の正式な形の念珠があり、
通常は108珠(人間の煩悩の数)が基本といわれています。
二重にして使用することから「二連」とも呼ばれています。
一方、「略式念珠」は、珠の数は108の半分の54粒や36粒、27粒などバラバラです。
「片手念珠」とも呼ばれます。
お客さまのお持ちの念珠をよく確認すると
房も白色が少し黄みがかって変色していらしたので、糸交換と同時に房交換もお勧めしました。
念珠の糸交換をする際には、房を一度外す必要があり、
糸交換と一緒に房交換を行うことで一度にメンテナンスを済ませることができます。
特に、念珠は、手で持ったり握ったりと負担がかかりやすいアイテムでもあります。
また、葬儀は突然やってくることがございます。
いざ使うときにお困りにならないように、
最低でも5年に一度は定期的なメンテナンスをお勧めしています。
また、念珠の紐が切れるというのは、悪因縁が切れた現れともされ、
それをきっかけに念珠を新調される方も多くいらっしゃいます。
糸が切れて、真珠が外れてしまいました
「やっぱりこわれる前に見てもらったほうが良いのね。
お値段もそんなにかからなくて安心したわ」と仰っていたお客さま。
念珠の糸替えは、略式念珠の場合は2,200円、本連の場合は4,400円で承っております。
また、房交換の場合、正絹と人絹の素材によって価格が変わります。
正絹は、天然繊維である本物の絹糸を使用しており、
略式念珠は5,600円、本連は10,000円になります。
正絹は手触りが良く、房の形も崩れにくいというメリットがあります。
また、人絹は、絹糸に見立てたレーヨンなどの合成繊維を使用していて、
略式念珠の房交換は3,600円、本連は7,000円で、
正絹に比べて価格を抑えられます。(価格は2020年6月時点のものです)
糸交換を行い連も元通りになりました
房も新品のものと交換しました
糸替えと房交換ができたことをご連絡すると再来店くださいました。
「見違えるようにきれいになりました。これでまた安心して使えます」
とご満足いただけました。そして、
「娘もそろそろそういう場に出る機会が増えてくるから
きちんと準備してあげないとね」とお嬢さま用に新しい念珠をお選びになられました。
念珠は持ち主と御仏を結ぶ仏具であり、仏教式の葬儀や法事に参列するときは、
仏様の世界へ旅立つ故人への敬意や哀悼を表すものとして、
念珠を携えるのがマナーとされています。
また、念珠をもつことで仏様のご加護があり、
厄除けのお守りになるともいわれています。
また、念珠は持ち主の魂が宿る分身といわれることもありますので、
お一人一つご用意しておくのがお勧めです。
当店では、念珠の修理以外にもさまざまな種類の念珠を取り扱っております。
また、房の種類や色も白、紫、茶色、紺色など
お客さまの用途に合わせてご用意しております。
ご不明なことがございましたら、お気軽にスタッフまでご相談ください。